アブストラクト(36巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 生後7日で緊急手術を施行した大動脈弓離断症の二期的根治手術の1例
Subtitle : 症例
Authors : 井元清隆, 近藤治郎, 相馬民太郎, 蔵田英志, 戸部道雄, 松本昭彦
Authors(kana) :
Organization : 横浜市立大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 2
Page : 236-240
Year/Month : 1988 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 大動脈弓離断症は予後不良な疾患であり, 特に生後1週以内に外科治療を必要とするような症状を呈する症例では不良である. われわれは重篤な心不全症状を呈し, 動脈管の閉鎖とともに腎不全を合併し, ショック状態となった大動脈弓離断(Celoria A型), 心室中隔欠損に対し生後7日にE-PTFEグラフトによる大動脈弓再建術を行い, 生後9ヵ月で肺高血圧症のため表面冷却超低体温下に心室中隔欠損孔閉鎖術を施行し二期的に根治せしめ得た. 大動脈弓の再建術式は, 直接吻合により狭窄残存の恐れのある場合, 十分な内径の代用血管による大動脈弓再建術の選択により救命率が向上すると思われた. また乳児期心室中隔欠損症の手術成績は表面冷却低体温法の応用により良好であるため第一期手術後, 心不全及び高度の肺高血圧が認められた場合はただちに心室中隔欠損閉鎖術を施行する術式が好ましいと考えられた. 大動脈弓離断症はまれな疾患であるが, 放置すればそのほとんどが生後1ヵ月以内に死亡するとされている1).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈弓離断症, E-PTFEグラフト, 表面冷却超低体温法, 心室中隔欠損閉鎖術
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