アブストラクト(36巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 心筋梗塞合併症に対する急性期手術
Subtitle : 症例
Authors : 小川恭一, 鶴田宏明, 山本信一郎, 中尾守次, 麻田達郎, 岡村雅雄
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立姫路循環器病センター心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 2
Page : 257-262
Year/Month : 1988 / 2
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 1)過去5年間に急性心筋梗塞の機械的合併症10例に対し, 心室中隔穿孔に対する手術6, 僧帽弁逆流に対する手術3, blowout型心破裂に対する手術2を施行し, それぞれの50%, 100%, 50%で長期生存が得られた. 2)心室中隔穿孔の急性期手術に際し, 高度ショック例と, シャント再発の防止の対処方法をさらに検討する必要があり, 補助人工心臓の使用も積極的に考慮すべきである. 3)高度僧帽弁逆流に対してはIABPで症状の改善が得られた時点で直ちに手術を行う必要があり, 心筋虚血があれば冠血行再建術を同時に行うことが肝要である. 4)blowout型心破裂では直ちに開心マッサージを行い, 脳死を防止し, 体外循環下に修復を行うことが大切である. 急性心筋梗塞の機械的合併症は自然予後が極めて悪く, 発症後早期に不幸な転帰をとることが多いため最近では急性期手術の必要性が重視されているところである. しかし, 急性期手術においては急性心筋梗塞自体のポンプ失調や心筋の脆弱性が問題であり, その成績は今だに満足すべきものとは言いがたい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 心筋梗塞合併症急性期手術, 心室中隔穿孔, 僧帽弁逆流, blowout型心破裂, 開胸心マッサージ
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