アブストラクト（36巻2号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 右側大動脈弓を伴う大動脈縮窄症の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 杉和郎, 近江三喜男, 藤村嘉彦, 森文樹, 古川昭一, 毛利平 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 山口大学医学部第1外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 2 |
| Page ： | 281-285 |
| Year/Month ： | 1988 / 2 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は23歳の女性で, 2歳時より心雑音を, 18歳時より高血圧及び左右上肢血圧差を指摘されていた. 血管造影では, 右側大動脈弓であり, 中枢側より順次, 左総頸動脈, 右総頸動脈, 右椎骨動脈, 右鎖骨下動脈が分枝し, 続く大動脈縮窄部の末梢より左鎖骨下動脈が分岐していた. 大動脈弓は低形成であり, 右鎖骨下動脈分岐部の約1.5cm末梢側に約2cmにわたる縮窄があり, 縮窄の前後で約70torrの収縮期圧較差があった. 手術は右第4肋間で後側方開胸を行い, 大動脈を単純遮断し, 縮窄部を切除し, 径12mm長さ2cmのダクロングラフトで置換した. 遮断時間は32分であり, 術後経過は合併症もなく良好であった. 右側大動脈弓に伴う大動脈縮窄症はまれな疾患で, われわれが文献上調べ得た範囲では, これまでに9例の報告を見るにすぎない. 今回われわれは大動脈の単純遮断下に縮窄部の人工血管置換術を施行した1例を経験したので報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 右側大動脈弓, 大動脈縮窄症, 左鎖骨下動脈起始異常, 単純大動脈遮断 |
