アブストラクト(36巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 小児における開心術後の重篤な肝障害 ―血液凝固能低下と血小板減少の合併―
Subtitle : 症例
Authors : 窪山泉, 瀬瀬顕, 神田好雄, 轟木元友, 城尾邦隆*, 徳永皓一*
Authors(kana) :
Organization : 九州厚生年金病院心臓血管外科, *九州厚生年金病院小児科, **九州大学医学部心臓外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 3
Page : 390-397
Year/Month : 1988 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 小児の開心術後早期に発症した重篤な肝障害を経験した. 2例のファロー四徴症と1例の完全型心内膜床欠損症の根治手術後であり, 3例とも術後より低拍出量症候群を呈し, 術後早期にGOTが2,500mU/ml以上に急増し, 出血傾向と50,000/mm3以下の血小板減少を認めた. 低拍出量症候群並びに肝障害と播種性血管内凝固症候群に対する治療により治癒せしめた. 低拍出量症候群を原因とする開心術後の肝障害の中には, 複合臓器不全と理解されるべきものが含まれ, 術後管理の面で考慮を要する. 開心術後の低拍出量症候群(LOS)により生じる肝障害の存在は, 早くから指摘されている1). 特に僧帽弁膜症や重症弁膜症, 右心不全に好発し, 予後不良と報告されている. これまでの報告は成人例であり1)~5), 小児に関する肝障害の報告は少なく, 最近散見されるにすぎず6)7), 発生頻度も0.5%6)と極めて低い. 成人例と同様に, 小児例でも予後不良で, 死亡率は78%6), 67%7)と異常に高いと報告されている.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 小児, 開心術, 低拍出量症候群, 血小板減少症, 播種性血管内凝固症候群
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