アブストラクト(36巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 非直視下弁切開術にて救命し得たcritical AS(生後30日)の1例
Subtitle : 症例
Authors : 中野雅道, 松井道彦*, 鈴木茂, 古川仁, 水野朝敏, 新井達太
Authors(kana) :
Organization : 東京慈恵会医科大学心臓外科, *埼玉県立小児医療センター
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 3
Page : 422-428
Year/Month : 1988 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 新生児, 乳児期早期から急速に状態の悪化するcritical ASに対する外科治療の報告は本邦では少なく, 特に非直視下大動脈弁切開術の報告は見られない. 最近, われわれは生後20日目より急速に増悪するうっ血性心不全を呈した男児に対して生後30日目に非直視下大動脈弁切開術を施行し救命できた. 患児の状態が極めて不良であったため過大な侵襲となる心臓カテーテル, 心血管造影は行わず, 体外循環も用いずに手術を行った. 手術は左開胸で左室心尖部よりHegar拡張器を用いて大動脈弁を切開した. 術後は左室-大動脈間に圧差は残っているものの心電図所見も改善した. 将来体重増加を待って体外循環下の弁切開術を予定している. 先天性大動脈弁狭窄症(以下AS)のうち新生児, 乳児期早期にうっ血性心不全を発症するcritical ASでは内科的治療は効果が期待できず早期の外科治療が必要となる. 本邦におけるcritical ASの外科治療の報告は少なく, 特に1歳以下の症例に対する手術成功例は文献上5例の報告を見るにすぎない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : critical AS, 非直視下手術, 大動脈弁切開術, 重症心疾患
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