アブストラクト(36巻3号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 限局性肺アミロイドーシスの1例
Subtitle : 症例
Authors : 袖山治嗣, 宮崎忠昭, 沢田久雄
Authors(kana) :
Organization : 長野赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 3
Page : 435-439
Year/Month : 1988 / 3
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 66歳の女性で, 集団検診に際し胸部X線写真上, 右下肺野の異常陰影を指摘された. 自覚症状はなかった. 経皮的肺生検を含む諸検査を行ったが確定診断のつかないまま, 右肺下葉切除を行った. 術後の組織学的及び組織化学的検索により肺アミロイドーシスと診断された. 診断判明後の検索では酵素抗体法による免疫染色で抗Aλ血清で弱陽性に染色されることが明らかになった. 本例は原発性アミロイドーシスの中でも比較的まれなnodular typeの限局性肺アミロイドーシスで, 現在までに本邦で5例の報告が見られるに過ぎない. 術後3年経過した現在も再発の徴候なく健在である. アミロイドーシスは, 1854年にVirchowにより間質にアミロイド沈着を来す疾患としてその概念が確立され, その後多くの研究が行われてきたが, 病因論にはいまだ定説がない. 肺に限局したアミロイドーシスは, 1877年Lesser1)が最初に報告して以来, 若干の症例報告がみられるが, その数は少ない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 限局性肺アミロイドーシス, 結節状陰影, nodular pulmonary amyloidosis, ダイロン染色
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