Authors : |
佐久間勉, 磯上勝彦, 斎藤秀行, 小野貞文, 相良勇三, 大貫恭正, 小池加保児, 大久保和弘, 新田澄郎, 仲田祐 |
Abstract : |
肺癌にて肺全摘術を施行した7名を対象に, 術前一側肺動脈閉塞試験(閉塞前, 閉塞中), 術後6, 24, 48時間, 及び21日以降において, 熱色素希釈法による肺血管外水分量を測定し次の結論を得た. 1)一側肺動脈閉塞試験における閉塞前の肺血管外水分量(両側肺血管外水分量)は6.0±1.2ml/kg(Mean±S.D.), 閉塞中の肺血管外水分量(健側肺血管外水分量)は4.2±0.9ml/kgであった. 健側肺血管外水分量は, 両側肺血管外水分量と健側肺血流分画の積と相関係数0.89であった. 2)術後の肺血管外水分量は, 6時間で5.2±2.9ml/kg, 24時間で6.9±3.4ml/kg, 48時間で6.2±3.5ml/kgで, 24時間で上昇を示した(p<0.05)が, 症例ごとに差異があった. 21日以降は4.3±0.9ml/kgで健側肺血管外水分量値に回復した. 3)健側肺血管外水分量, 及び両側肺血管外水分量と健側肺血流分画の積は, 肺全摘術における術後肺血管外水分量の良い対照となり, 術後肺水腫発生の良き指標となって, 肺全摘術における術後管理上有用である. |