アブストラクト（36巻4号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | リンパ節転移を認めた胸腺カルチノイドの1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 三谷惟章, 馬場国昭, 馬場政道, 西島浩雄, 島津久明, 田口正人* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 鹿児島大学医学部第1外科, *鹿児島大学医学部放射線科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 4 |
| Page ： | 546-550 |
| Year/Month ： | 1988 / 4 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 70歳男性の胸腺カルチノイドの手術例を経験した. 術中の迅速病理診断は上皮優位型胸腺腫であったが, 術後の電顕所見からカルチノイドと診断された. 胸腺全摘の切除標本中に転移リンパ節を7個認め, 更に上部気管周囲とボタロー領域の予防的リンパ節郭清の結果, ボタローのリンパ節にも転移が発見された. 自験例を含む本邦報告32例を集計して, 本腫瘍の病態と手術上の問題点を考察した. 本腫瘍は浸潤・再発の傾向が強い. 従って, 腫瘍を含む胸腺の部分切除（腫瘍摘除）では局所再発し易く, 胸腺全摘が採用されるべきであり, 更にリンパ節郭清の併用が望ましいと考えられた. 胸腺カルチノイドはその発生母地, 組織形態や性格の違いから現在では胸腺腫とは独立して扱われているまれな疾患である. 本腫瘍は胸腺腫に比べて局所浸潤や再発・転移の傾向が強いとの報告1)があるために切除範囲の決定には更に慎重さが必要であろう. 最近, 著者らはリンパ行性転移のまれとされている胸腺腫に対しても胸腺全摘と予防的なリンパ節郭清を行う方針をとっている. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 胸腺カルチノイド, リンパ節転移, リンパ節郭清 |
