アブストラクト(36巻4号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 食道肺気管支複合嚢胞の1例
Subtitle : 症例
Authors : 吉井新平, 松川哲之助, 上村省治, 橋本良一, 神谷喜八郎, 上野明
Authors(kana) :
Organization : 山梨医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 4
Page : 551-556
Year/Month : 1988 / 4
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 肺・縦隔内に発生する先天性嚢胞のうち, 食道嚢胞と気管支嚢胞の合併例は極めてまれで, 本邦ではこれまで3例の報告, 及び近縁疾患と考えられる1例の報告例があるのみである. 最近経験した1例を報告する. 31歳男性, 主訴:咳嗽と発熱. 左上肺野に2コの嚢胞があり, 多発性気管支嚢胞として嚢胞をふくめ左S1+2,3の区域切除術を施行した. 病理学的には, 互いに交通のある食道性, 気管支性嚢胞で, 気管支性嚢胞は主に肺内に存在し数ヵ所で憩室様に肺内に突出し, 一部に膿瘍及び閉塞性肺炎像を形成し, また明らかな気管支との交通はなかった. 食道嚢胞は単胞性で左肺動脈から大動脈にかけ強固に癒着し, 主に肺外に存在し食道との交通はなかった. 本症は前腸由来のduplication cystsの一種で, 食道, 気管支の原基が連絡を有したまま分離した部分的重複とみられているが, 前腸に発生した憩室様突起物由来の一連の疾患群の一種ともみられ, 食道肺気管支複合嚢胞という新たな診断名を提唱したい.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道嚢胞, 気管支嚢胞, 食道気管支嚢胞, 食道肺気管支複合嚢胞, Duplication cysts
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