アブストラクト（36巻4号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 高齢者(79歳)心筋梗塞後中隔穿孔の1治験例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 田中國義, 宮村一男, 山崎順彦, 滝川喜一, 湯浅浩*, 草川實* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 松阪中央総合病院胸部外科, *三重大学医学部胸部外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 4 |
| Page ： | 557-562 |
| Year/Month ： | 1988 / 4 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 急性心筋梗塞に伴う心室中隔穿孔は, いったん発症すると極めて重篤な経過をとり, 外科治療以外に救命し得る可能性は無い. 更に本症が高齢者に発生した場合, 高齢者特有の病態が加わり問題は複雑となる. 症例は79歳女性で胸痛発作にて発症し, 広範前壁梗塞と診断された. 第9病日に至り第5肋間胸骨左縁に最強点をもつ全収縮期雑音が出現し, 右心カテーテル検査にて心室中隔穿孔と診断された. Cardiac cachexiaの様相を呈していたが心不全は内科的治療にある程度反応したため, 高カロリー輸液, GIK療法により全身状態の改善を図った後, 中隔穿孔発症45日目に中隔穿孔閉鎖術及び心室瘤切除術を施行した. 術後経過は順調で, 現在自宅にて元気に生活している. 本邦では現在までに12例の70歳以上の高齢者に対する心筋梗塞後中隔穿孔の手術例が報告されており, 本症例はその最高齢者である. 急性心筋梗塞に伴う中隔穿孔の発生頻度は0.5 1)から1.4 2)%と低いが, いったん発症すると極めて重篤な経過をとり, 外科治療以外に救命しうる可能性はほとんど無い. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 急性心筋梗塞, 心室中隔穿孔 |
