アブストラクト(36巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳児期完全大血管転位症(I型)に対する一期的Jatene手術成績とその適応条件について
Subtitle : 原著
Authors : 川田博昭***, 内藤泰顕**, 八木原俊克, 磯部文隆, 山本文雄, 岸田憲二*, 神谷哲郎*, 藤田毅
Authors(kana) :
Organization : 国立循環器病センター心臓血管外科, *国立循環器病センター小児科, **和歌山県立医科大学胸部外科, ***大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 6
Page : 898-904
Year/Month : 1988 / 6
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 過去5年間に, 1歳未満の完全大血管転位症(TGA)I型10例に対しJatene手術を施行し, 検討を行った. 手術時年齢は3~11ヵ月(平均4.8ヵ月), 体重は4.6~7.0kg(平均5.3kg)であった. 全例, Jatene手術が初回手術であった. 合併奇形として, small VSD3例, PDA2例を認め, VSD2例は経右房に直接閉鎖し, PDAは結紮した. 手術死亡は4例(40%)であった. 術後成績より決定したJatene手術の適応条件は, 術前の心カテーテル検査より求めた左室/右室収縮期圧比0.5以上, 左室心筋重量が正常の80%以上であった. 適応条件を満たすといえども, パラメーターが各々(0.5, 95%)(0.64, 82%)(0.66, 90%)で両方とも低値をとった3例は, 1例は手術死亡し, 2例では術後7日間の人工呼吸を必要とする重篤な左心不全を来した. この適応条件は, 適応限界ともいうべききびしいものである. そのため, 適応条件をかろうじて満たす症例に対しては, 厳重な術後管理が必要と思われる.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 完全大血管転位症I型, Jatene手術, 早期術後管理, 左室右室収縮期圧比, 左室心筋重量
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