Abstract : |
体外循環を用いた心臓手術81例を生血(院内採血CPD加当日血), フィブリン糊の使用で4群に分け, 術後出血量に対する節減効果を検討した. A群は生血もフィブリン糊も使用しなかった26例, B群は心大血管縫合部にのみフィブリン糊を使用した8例, C群はB群に加えて人工心肺回転終了後に生血を投与した24例, D群はC群に加えて前縦隔胸骨下にもフィブリン糊を使用した23例とした. ICU入室後1時間の出血量はA群129.3±125.6ml, B群78.5±67.1ml, C群41.5±33.1ml, D群22.6±16.0mlと, C群D群に少ない傾向がみられ, 特にD群ではC群に比して有意に少量であった(p<0.05). 更にICU入室後24時間の出血量でもA群434.2±169.0ml, B群444.3±268.8ml, C群252.4±101.6ml, D群137.5±55.5mlとやはりC群D群に少ない傾向があり, D群ではC群と比べても有意の減少を認めた(p<0.01). 術後にドレーンが閉塞した症例はなく, フィブリン糊が原因と思われる感染症の発症も経験していない. 心臓手術における生血術中使用及びフィブリン糊の前縦隔投与は出血量節減の目的で大変有用であり, 特にoozing型の出血に効果的であった. 術後出血, フィブリン糊, oozing |