| Title ： |
左冠動脈主幹部完全閉塞を合併し, 冠側副血行路を形成した冠動脈肺動脈瘻の1手術例 |
| Subtitle ： |
症例 |
| Authors ： |
高橋俊樹, 榊原哲夫, 野村文一, 児玉和久*, 中埜粛**, 川島康生** |
| Authors（kana） ： |
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| Organization ： |
大阪警察病院心臓血管外科, *大阪警察病院循環器内科, **大阪大学医学部第1外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
36 |
| Number ： |
6 |
| Page ： |
980-985 |
| Year/Month ： |
1988 / 6 |
| Article ： |
報告 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
症例は狭心痛を主訴とする61歳の男性である. 選択的冠動脈造影により右冠動脈狭窄と左冠動脈主幹部完全閉塞並びに左冠動脈主幹部・左冠動脈各分枝より起始する多発性冠動脈肺動脈瘻を認めた. 左冠動脈主幹部より起始する瘻血管の血流の一部は, 左冠動脈分枝より起始する瘻血管を逆行し, 左冠冠動脈末梢側を灌流していた. 負荷心電図, 運動負荷101T1心筋シンチグラフィーにて広範囲心筋虚血所見を認めたが, 心筋梗塞を疑わしめる所見は存在しなかった. つまり, 多発性冠動脈肺動脈瘻が, 器質的冠動脈閉塞部をバイパスし, 末梢側虚血領域を灌流する側副血行として働いており, 重篤な心筋虚血の予防に重要な役割を果たしたものと考えられる. 本症例に対し, 瘻血管肺動脈流入口閉鎖術及び左前下行枝・右冠動脈への大動脈冠動脈バイパス術を施行した. 術後, 狭心痛は消失した. 冠動脈肺動脈瘻による冠盗血現象と心筋虚血との関連性は既に指摘されているが1)～3), 逆に冠動脈肺動脈瘻が器質的冠動脈狭窄病変末梢側への側副血行路となった報告はいまだ認められない. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
冠動脈肺動脈瘻 左冠動脈主幹部閉塞, 冠側副血行, 大動脈冠動脈バイパス術 |
