アブストラクト(36巻6号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 良好な側副血行路を有する虚血性心疾患に対するA-Cバイパス術の効果 ―術前後に, 運動負荷時の左室冠血流量を測定した2症例―
Subtitle : 症例
Authors : 榊原哲夫, 広瀬一, 中埜粛, 松田暉, 川島康生
Authors(kana) :
Organization : 大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 6
Page : 992-997
Year/Month : 1988 / 6
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 良好な側副血行路を有する虚血性心疾患の2症例において, 運動負荷時の冠血流量や左室機能に及ぼすA-Cバイパス術の効果を検討した. 症例1は70歳の男性で左前下行枝(LAD)と回旋枝(LCX)の完全閉鎖を有し, その末梢は右冠状動脈(RCA)より, よく発達した側副血行路を介して造影された. 本年に対してLAD, LCX, RCAの3本のA-Cバイパス術を施行した. 症例2は56歳の男性で, 左冠動脈主幹部の完全閉塞を有し, この末梢はRCAより発達した側副血行路を介して造影された. 本症例に対してLAD, LCX, RCAに3本のA-Cバイパス術を施行した. 運動負荷時の左室一分間仕事量は, 症例1では2.16から9.83kg m/min, 症例2では3.07から14.1kg/m/minに術後それぞれ増加した. 運動負荷による冠血流量の増加率は, 症例1では1.44から2.09, 症例2では1.46から2.30に術後それぞれ増加した. 虚血性心疾患に対してA-Cバイパス術を施行する場合冠動脈造影上側副血行路を有する症例は, 多く経験するところである.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 側副血行路, A-Cバイパス術, 左室機能, 冠血流量, 運動負荷
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