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原発性肺癌に行った肺摘除術9例, 肺葉切除術11例に, 術前日より第2病日までSwan-Ganz Catheterを挿入し循環動態諸因子を測定して, これより循環動態図を作成し術後の右心負荷を比較検討した. 更に, 一側肺動脈閉塞試験を行った肺摘除術6例で, 最も負荷のかかる術直後の循環動態の変化が予測可能であるかを検討し以下の結論を得た. 1)肺葉切除術直後の循環動態は, 絶対的肺血管床減少と術側残存肺の機能的血管床減少のため肺小動脈血管抵抗指数の上昇があり, 右心後負荷傾向があった. 2)肺葉切除術の利尿期では, 機能的肺血管床減少の改善があり右心後負荷が消失するが, 新たなHypervolemia傾向の右心前負荷が加わり, 総和としての右心負荷傾向が継続した. 3)肺摘除術は術直後より絶対的肺血管床減少のため肺小動脈血管抵抗指数上昇を生じ右心後負荷が続くが, 第2病日には総和としての右心負荷は消失した. 4)肺摘除術の右心負荷の消失はCI, mPWP減少で表現されたHypovolemia傾向が右心負荷を相殺したためであった. 5)一側肺動脈閉塞試験で, 肺摘除術直後のPARI値を十分に想定し得たが, 肺小動脈血管抵抗指数は肺血管床の予備力を評価するのみで肺摘除術適応の基準としては不十分であった. しかし, 全肺血管抵抗指数は心機能も含めて評価可能であり有用な基準単位であると思われた. |
