Title : |
心筋組織血流量測定による虚血の評価と冠動脈バイパス術効果の術中診断 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
川筋道雄, 川尻文雄, 辻口大, 榊原直樹, 渡辺剛, 岩喬 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
金沢大学医学部第1外科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
36 |
Number : |
7 |
Page : |
1116-1120 |
Year/Month : |
1988 / 7 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
冠動脈バイパス術中に心筋虚血を診断し, バイパスグラフトの効果を組織血流レベルで評価するために電解式水素クリアランス組織血流計を用いて局所心筋血流量(MBF)を測定した. I群の非虚血性心疾患患者は10例, II群の虚血性心疾患患者は30例である. 75%未満及び75%以上の狭窄を示す冠状動脈の支配領域をそれぞれIIa群, IIb群とした. I, IIa, IIb群の平均MBFはそれぞれ156±24, 150±44, 105±58ml/min/100gであった. II群において冠動脈狭窄が90%以上の領域の平均MBFは低値を示した. 前壁Q波梗塞及び非Q波梗塞の平均MBFは40±23, 96±48ml/min/100gであった. 体外循環前後のMBFはI, IIa群で変化はなかったが, IIb群では149±44ml/min/100gへと増加した(p<0.01). 静脈グラフトと内胸動脈グラフトではMBF改善効果に差はなかった. 電解式水素クリアランス法によるMBFの測定は心筋虚血の安全で信頼できる定量的評価法であり, 冠動脈バイパス術による虚血からの回復を直接診断する優れた方法である. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
心筋組織血流量, 電解式水素クリアランス法, 冠狭窄, 心筋梗塞, 冠血行再建術 |