Title : |
肺アスペルギローム切除例の臨床的及び病理学的検討 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
斎藤幸雄, 山口豊, 藤沢武彦, 馬場雅行, 山川久美, 君塚五郎* |
Authors(kana) : |
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Organization : |
千葉大学医学部肺癌研究施設外科, *千葉大学医学部肺癌研究施設病理 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
36 |
Number : |
7 |
Page : |
1142-1148 |
Year/Month : |
1988 / 7 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
現在, 肺アスペルギロームは外科切除が最も有効な治療手段とされている. しかしながらその病態や自然経過に不明な点が多く, 手術適応や術後合併症に関しても検討を加えねばならない点が多い. 当施設で肺切除を施行した7例について臨床的並びに病理学的に検討を加え, 以下の知見を得た. 1)基磯疾患では肺結核症の既往が3例と多かったが, 基磯疾患の明瞭でない症例も4例あり, これらの中に細胞性免疫能低下, 浸潤影の先行, 菌糸の血管内浸潤などの興味ある所見を示す症例があった. 2)臨床的には大量喀血例と他の症例に明瞭な相違点は認められなかったが, 病理学的には大量喀血例は空洞内壁に著明な毛細血管の増生及び拡張を伴った肉芽の隆起を認め, 本症における喀血は菌球の存在と関連した空洞壁からの出血である可能性が示唆された. 3)大量喀血発生の予測が臨床的に困難であり, 宿主の状態によっては肺炎型へ移行する可能性を持つ症例が認められたことより肺アスペルギロームは機能的に外科切除可能な症例には全例手術適応があると考えられた. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
肺アスペルギローム, 外科切除, 手術適応, 術後合併症, 喀血 |