アブストラクト(36巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術後の胸骨閉鎖困難症例に骨セメントスペーサーが秦給した2例
Subtitle : 症例
Authors : 伊奈博, 平松隼夫, 早瀬修平, 倉橋直人, 野々山直樹, 服部龍夫
Authors(kana) :
Organization : 名古屋第1赤十字病院外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 7
Page : 1156-1160
Year/Month : 1988 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術後に拡大した不全心のため胸骨の縫合閉鎖が困難となった2症例を経験した. 症例は僧帽弁狭窄, 三尖弁閉鎖不全のため僧帽弁置換と三尖弁輪形成を施行した61歳の女性, 及び感染性心内膜炎, 僧帽弁閉鎖不全に対して僧帽弁置換を行った46歳の女性であった. 2例ともCMW骨セメントより作ったスペーサーを縦切開した胸骨間に入れ, 胸骨を開大固定し皮膚を閉鎖した. いずれも術後のLOSを乗り切り骨セメントにより胸骨を開大固定したまま人工呼吸器より離脱した. 現在も骨セメント除去はなされず外来通院中であるが日常生活に支障はない. 術後CTでは骨セメント周囲に異常反応はなく, 肺機能検査結果は術前値より改善した. このような症例に胸骨間スペーサーを使用したときは, 術後早期に除去を施行せずに二期的に除去した方が安全である. 心筋保護法の進歩により心臓手術の成績は近年急速に向上した. しかし開心術後の拡大した不全心のため, 胸骨を縫合閉鎖すると血行動態の悪化を招きその閉鎖が困難な症例をまれに経験する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 開心術, 心拡大, 胸骨閉鎖困難, 骨セメント, スペーサー
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