アブストラクト(36巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管支再形成術を施行した外傷性気管支断裂の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 輿石義彦, 雨宮隆太, 松島康, 沖津宏, 田近栄四郎, 内藤淳
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 7
Page : 1169-1174
Year/Month : 1988 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 気管支再形成術を施行し, 治癒せしめた外傷性気管支断裂の1例を経験したので報告する. 症例は12歳男児. 1984年7月胸部圧挫傷をうけ両側血気胸となり某院に入院し, 両側胸腔ドレナージ及び右開胸による血腫除去術を施行されたが, 右の無気肺が軽快しないため当院に転送された. 気管支鏡により右主気管支断裂後の肉芽腫性閉塞と診断, 気管支形成術を施行した. しかし術後8日ごろより吻合部の肉芽腫狭窄を来した. Fogarty動脈用バルーンカテーテルを用いて開大をはかったが, 閉塞性肺炎を合併したため1985年3月気管支再形成術を施行し良好な結果を得た. 呼吸機能変化についても再形成術後1年4ヵ月にわたり追跡し, 著明な改善を得たので併せて報告する. 外傷性気管支断裂に対する気管支形成術の報告例は, 気管支形成術の普及とともに増加しつつある. しかし受傷から手術までの期間が遷延すると患側肺の機能の回復が得られないことがあり, また吻合部の肉芽形成など, いくつかの問題点がある. 気管支形成術後の肉芽腫性狭窄に対し, 手術療法を行った報告は少なく, わずかに前田ら1), 野口ら2)の2例があるにすぎない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気管支形成術, 外傷性気管支断裂, 術後呼吸機能
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