アブストラクト(36巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 腺様のう胞癌に対する気管形成術後, 肺気腫症状が著明になった1症例
Subtitle : 症例
Authors : 寺田泰二, 松延政一, 根本正, 室恒太郎, 呉俊雄, 清水慶彦*
Authors(kana) :
Organization : 総合病院健康保険滋賀病院呼吸器センター, *京都大学医用高分子センター実験外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 7
Page : 1180-1184
Year/Month : 1988 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 腺様のう胞癌により気管5.6cm(12軟骨輪)切除を伴う気管形成術を施行したが, 術後呼吸困難が増強し, 呼吸管理に難渋した症例を経験した. この症例は, 基礎疾患として肺気腫があり, 腫瘍の狭窄による呼気抵抗(back pressure)が, 口すぼめ呼吸の代用をしていたと考えられ, 手術によりこの狭窄が消失したため, 肺気腫症状に適応できず, 呼吸困難, 喀痰排出困難が持続した. 口すぼめ及び腹式呼吸の訓練, 理学療法, 薬物療法を続け, 術後3ヵ月ころより呼吸困難, 喀痰排出困難は軽減した. 長期にわたる狭窄性の気管病変があり, 気腫化が進んでいる症例の手術を行う場合, 術後の呼吸管理において, 呼気抵抗消失からの呼吸困難, 喀痰排出困難に対する処置として, 呼吸法指導, 理学療法, 薬物療法が重要であると考えられた. 最近われわれは, 気管原発の腺様のう胞癌により気管5.6cm(12軟骨輪)切除を伴う気管形成術後, 腫瘍による呼気抵抗がなくなったため, 肺気腫症状が増強した症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 腺様のう胞癌, 気管癌, 肺気腫, 呼気抵抗, 気管形成術
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