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重症筋無力症に慢性関節リウマチ, Sjogren症候群, 高γグロブリン血症, 甲状腺機能亢進症を合併した極めてまれな1例を経験したので, 特にその胸腺病変を中心に報告する. 症例は60歳, 女性. 筋無力症症状の増悪のため, 拡大胸腺摘出術を施行. 胸腺組織は胚中心を伴うリンパ濾胞の形成が認められ, 免疫組織検索(ABC法)で皮髄境界を中心にIgG, IgA, IgMの各陽性細胞が認められた. また電顕所見ではTリンパ球, 筋様細胞, 胸腺上皮細胞に細胞質内空胞のウイルス発芽像が認められた. 重症筋無力症にSjogren症候群を合併した症例の報告は本邦では自験例を含め6例しかなく, 本例はさらに他の免疫異常も加わった貴重な症例と考えられる. 重症筋無力症(MG)にしばしば各種自己免疫疾患が合併することはよく知られているが, MGにSjogren症候群が合併したとする報告は少ない. 今回われわれはMGにSjogren症候群, 慢性関節リウマチ, 高γグロブリン血症, 甲状腺機能亢進症を合併した極めてまれな症例を経験したので報告するとともに, 特にその胸腺病変を中心に若干の考察を加えた. |
