アブストラクト(36巻7号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 孤立性気管支乳頭腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 青田正樹*1, 中山正吾*2, 神野君夫*3, 大頭信義1), 桂栄孝2), 和田洋己3)
Authors(kana) :
Organization : 1)国立姫路病院心臓血管外科, 2)国立姫路病院病理, 3)京都大学胸部疾患研究所胸部外科, *1倉敷中央病院心臓血管外科, *2兵庫県立尼崎病院心臓病センター外科, *3京都大学医学部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 7
Page : 1194-1199
Year/Month : 1988 / 7
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 左主気管支に発生した孤立性乳頭腫の1例を報告し, 文献的考察を加えて報告する. 症例は63歳男性で喘鳴及び労作時呼吸困難を訴え来院した. 気管支鏡検査の結果, 左主気管支に腫瘍を認め, 左主気管支管状切除術を施行した. 組織学的に良性乳頭腫であった. 2年後の現在健康に生活している. 気管支の孤立性乳頭腫は肺気管支の良性腫瘍の中で非常にまれな疾患であり, われわれが調べ得た範囲ではこれまで約40例の報告があるにすぎない. 悪性変化やcarcinoma in situの報告もあるので開胸手術を行い, 付着気管支も含めた標本の検索が必要である. 本例のように太い気管支に存在するものに対しては, 気管支形成術を行い肺機能の温存を図るべきである. 気管支の孤立性乳頭腫solitary papillomaは非常にまれな疾患である1). Maxwell2)は文献上12例のsquamous papillomaを報告した. 文献上報告された孤立性乳頭腫は, 約40例に過ぎない. われわれは左主気管支に発生した孤立性乳頭腫に対し左気管支管状切除術を施行し左肺機能を温存できたので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 孤立性乳頭腫, 気管支, 管状切除術
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