アブストラクト（36巻7号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 肺剥皮術により治癒せしめた好酸球性胸膜炎の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 大泉弘幸*, 安部裕之*, 小林稔, 佐藤徹, 星永進, 鷲尾正彦 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 山形大学医学部第2外科, *長井市立総合病院外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 7 |
| Page ： | 1206-1209 |
| Year/Month ： | 1988 / 7 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は46歳の男性で, 発症後16日目に来院し, 胸部単純X線写真で左胸腔に多量の胸水を認め, 穿刺液検査で好酸球増多が証明された. 持続胸腔ドレナージを開始し当日3,500mlの排液を得たが, 肺は拡張しなかった. 保存的治療が無効なため, 治療開始後9日目に肺剥皮術を行った. 肺胼胝は容易に剥離でき, 肺は良く拡張した. 1年間経過を観察したが, 基礎疾患と考えられる病変は認めなかった. 胸水の好酸球増多は比較的まれな病態で, 多くは良性の経過をたどり, また保存的療法で軽快するが, 本例のように, 肺剥皮術を施行したという報告は認めず, 貴重な症例と考えられた. 胸水中の好酸球増多は比較的まれな病態で, 原因として種々の病態が考えられており, その報告も散見されるが, これに対する外科的治療の報告は認められない. われわれは, 保存的治療に反応しない好酸球性胸膜炎に対し, 肺剥皮術を行い治癒せしめたので, 若干の文献的考察を加え報告する. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 好酸球増多, 好酸球性胸膜炎, 肺剥皮術, 特発性 |
