アブストラクト（36巻8号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | Total cavopulmonary shunt術後に妊娠, 出産に成功した単心室症の1例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 北川透, 広瀬一, 松田暉, 大谷正勝, 川島康生, 高木哲* |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 大阪大学医学部第1外科, *大阪大学医学部産婦人科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 8 |
| Page ： | 1369-1373 |
| Year/Month ： | 1988 / 8 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は30歳の女性で, 単心室(右室型), 単心房, 共通房室弁逆流, 下大静脈欠損及びhemiazygos continuationに対し, 23歳時にtotal cavopulmonary shunt(TCPS)手術とHancock弁による共通房室弁の置換を行った. 術後はNYHA II度にまで状態は改善し, 術後6年目に妊娠した. 妊娠25週ごろより全身の浮腫が増強してきたため強心剤, 利尿剤による治療の後, 妊娠36週に帝王切開術により無事に男児を出産した. 出産後4ヵ月にてHancock弁の狭窄及び閉鎖不全による心不全が著明となり, 29mm Bjork-Shiley弁を用いて再弁置換術を行った. 出産後1.5年の現在, 一般状態はNYHA II度に改善してきている. 単心室症で妊娠, 出産に成功した報告は極めて少ないので, 文献的考察を加え報告した. 複雑心奇形に対する種々の外科的治療が行われ, 成績と向上してきているが1), その長期遠隔成績を検討するうえで, 女性の場合, 妊娠, 出産は1つの大きな問題である. |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | Total cavopulmonary shunt, 単心室症, 妊娠, 共通房室弁置換 |
