アブストラクト(36巻8号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : Gilbert症候群を伴った心房中隔欠損症の1治験例
Subtitle : 症例
Authors : 相田弘秋, 栗林良正, 桜田徹, 熱海裕之, 関根智之, 阿部忠昭
Authors(kana) :
Organization : 秋田大学医学部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 8
Page : 1398-1401
Year/Month : 1988 / 8
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 術前より高ビリルビン血症を呈する体質性黄疸を伴った症例に対する開心術の報告は極めてまれである. 今回われわれは, Gilbert症候群を伴った51歳女性の心房中隔欠損症に対し開心根治術を施行し, 特別な合併症なく治癒せし得たので報告する. 術前総ビリルビン値5.1mg/dl, 術後総ビリルビン値2mg/dlと黄疸の増悪はなく, GOT, GPTは術後一過性の上昇を認めたものの, 約2週間後には正常に復した. 本症の原因が肝細胞のビリルビン摂取障害, glucuronyl transferaseの活性低下にあることを考慮すれば, 術後肝不全に陥る危険性は少なく, 開心術は一般の症例と同様に行えると考えられた. 開心術後の高ビリルビン血症に関しては, 数多くの報告がなされているが, 術前より高ビリルビン血症を呈する体質性黄疸を伴った症例に対する開心術の報告は極めてまれである. 今回われわれはGilbert症候群に心房中隔欠損症(以下ASD)を伴った症例に開心術を施行し, 良好な結果を得たので考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : Gilbert症候群, 心房中隔欠損症, 体外循環
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