Abstract : |
弁膜症に対する人工弁置換術は, 一般的な治療法として普及しており, また数々の種類の人工弁が使用されてきた. このうちStarr-Edwards ball弁(以後S-E弁と略記)は, 1960年より現在に至るまで使用されている. 今回われわれは移植18年後に機能不全となったS-E弁を再弁置換する機会を得たので, S-E弁の長期耐久性, 遠隔成績について若干の文献的考察を加え報告する. 症例は52歳の男性で18年前S-E弁(6300・OM)にて僧帽弁置換術を受けた. 今回心不全症状の出現を見, 精査の結果S-E弁の機能不全と診断し, 当院にて再弁置換術を行った. S-E弁の遠隔期成績について, 過去の報告では長期耐久性, 緩徐な弁不全の進行が長所としてあげられているが, 本症例は, 初期モデルのS-E弁が18年という長期耐久性を示した点において興味深いと思われた. 弁膜症に対する人工弁置換術は, 一般的な治療法として普及しており, また数々の種類の人工弁が使用されてきた. このうちStarr-Edwards ball弁(以後S-E弁と略記)は, 1960年より現在に至るまで使用されており, その特性についても数々の研究がなされている. |