Abstract : |
サイズ31MのCarpentier-Edwards異種大動脈弁においてステント求心性移動を作成し, シュミレーターを使ってステント求心性移動の弁機能に与える影響について検討した. 3本のステントの先端部に縫合糸をかけて縫縮し, 垂直にたいして均等な15度の傾斜を作成した. 拍動流ポンプを使用して心拍数40~120で20間隔でレートを変え面積計で弁口面積の変化波形を測定し, 電磁流量計で心拍出量を測定した. 同時に, 微分アンプを用いて面積変化の時間微分波形を描き, 微分値の最大値と最小値を求めてこれをそれぞれ弁最大開放速度と閉鎖速度とし, 弁開放能及び閉鎖能の指標とした. ステント求心性移動による圧較差への影響は定常流下で求心性移動作成前後で流量と圧較差との関係を求めて比較検討した. 15度のステント求心性移動作成前後で, 心拍出量と弁口面積の関係, 流量と圧較差の関係, 弁開口面積, 最大弁開放速度, 最大弁閉鎖速度, 弁の閉鎖には有意な変化は生じなかった. 以上の実験結果から, Carpentier Edwards弁(サイズ31M)における平均15度のステント求心性移動は弁機能に対して影響を与えないと考えられた. |