| Title ： |
完全大血管転位症I型における左室trainingを目的とした肺動脈絞扼術の検討 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
米永國宏, 安井久喬, 角秀秋, 中野英一, 安藤廣美, 大嶋昭夫*, 溝口康弘*, 砂川博史*, 深澤満** |
| Authors（kana） ： |
|
| Organization ： |
福岡市立こども病院心臓血管外科, *福岡市立こども病院循環器内科, **九州大学医学部小児科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
36 |
| Number ： |
9 |
| Page ： |
2048-2057 |
| Year/Month ： |
1988 / 9 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
1984年5月から1986年11月までに当施設にてTGA I型21例に対して行った解剖学的根治術準備のための左室trainingを目的とした肺動脈絞扼術について, 術後血行動態, 左室trainingの効果及び適正肺動脈絞扼周径の指標の検討を行った. 絞扼基準として左室収縮期圧60mmHg以上, 左室/右室収縮期圧比0.7以上とし, 初期2例を除き同時にBlalock-Taussig（B-T）shuntを追加した. 絞扼周径値の検討より, 術前左室拡張終期容積（LVEDV）が絞扼周径の推定の指標として最も有効であり（絞扼周径mm＝0.23×LVEDVml＋19.7, p＜0.001）, 術前体重及び術前肺動脈径は絞扼周径の指標としては無効であった. 術後経過では多くの症例が急性期に低酸素血症, 代謝性アシドーシス及び頻脈を来したが, 術後2～3日目には全例回復した. 術後急性期の低酸素血症の程度は, B-T shunt流量, 及び左室最大負荷圧よりEmax理論をもとに推定した左室拍出量減少率と相関を認めた. 肺動脈絞扼後の左室収縮期圧は術前37.8±8.8から術中測定で69.1±12.9mmHgに, 術後（平均5.6カ月後）カテで75.8±16.8mmHgに上昇した. 術前のLVEDVの小さなものでは術後の左室圧は遠隔期に低下する傾向を認めた. 左室trainingの効果として, 左室重量（LV mass）は術前40.8±11.6%normalから術後60.3±13.7%normalに増加したが（p＜0.001）, LVEDVは術前139.2±37.4%normalから術後136.3±36.7%normalと有意の変化を認めなかった. LV massの増加は術後の左室圧と有意の相関を認めた. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
TGA I型, 解剖学的根治術, 肺動脈絞扼術, Blalock-Taussig shunt, 左室心筋重量 |
