アブストラクト（36巻9号：日本胸部外科学会雑誌）
| Title ： | 気管支上皮原発と考えられる悪性黒色腫の1手術例 |
|---|---|
| Subtitle ： | 症例 |
| Authors ： | 有田正明, 山口豊, 籾木茂, 藤沢武彦 |
| Authors（kana） ： | |
| Organization ： | 千葉大学医学部肺癌研究施設外科 |
| Journal ： | 日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： | 36 |
| Number ： | 9 |
| Page ： | 2117-2121 |
| Year/Month ： | 1988 / 9 |
| Article ： | 報告 |
| Publisher ： | 日本胸部外科学会 |
| Abstract ： | 症例は46歳, 男性. 主訴は発熱, 咳嗽. 胸部X線写真にて右中下肺野に縦隔影に接してシルエットサイン陰性の超鶏卵大の辺縁比較的明瞭で濃度均等な腫瘤状陰影が認められた. 気管支鏡検査では右中間気管支幹をほぼ完全に閉塞する一部黒色部を有する灰白色の腫瘤塊が認められ, 同部の生検にて紡錘形ないし不整形の腫瘍細胞の原形質内に顆粒状の褐色色素が多量に認められ悪性黒色腫と診断された. 皮膚, 粘膜など他に原発と考えられる病変なく, 気管支原発と考え右中下葉切除を施行した. 切除材料の病理組織所見で腫瘍周辺部の気管支上皮の基底部に腫瘍性細胞の増殖する, いわゆるjunctional changeを認めたことから気管支上皮原発と考えた. 術後9カ月再発により死亡した. 以上, 極めてまれな気管支上皮原発と考えられる悪性黒色腫の1切除例を報告した. 悪性黒色腫は最も予後の悪い悪性腫瘍の1つであり, 皮膚, 皮膚粘膜移行部, 眼球脈絡膜及び軟髄膜に発生するものがほとんどであるが, まれにその他の実質臓器にも発生する1). |
| Practice ： | 臨床医学：外科系 |
| Keywords ： | 悪性黒色腫, 気管支上皮原発, 切除例 |
