アブストラクト(36巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 開心術症例における左室収縮末期圧容積関係を用いた術中心機能評価の試み
Subtitle : 原著
Authors : 松若良介, 友国隆, 宮崎知*, 尹亨彦*, 渡辺文子**, 松田暉***, 川島康生***
Authors(kana) :
Organization : 大手前病院心臓外科, *大手前病院外科, **大手前病院内科, ***大阪大学医学部第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 10
Page : 2170-2174
Year/Month : 1988 / 10
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 開心術症例7例において, 左室収縮末期圧容積関係を用いた術中心機能評価を試みた. 症例は後天性弁膜疾患4例の他3例は先天性心奇形で, 体外循環(以下ECC)開始前と終了直後にM-mode心エコー法による左室内径とtip transducerを用いた左室圧測定を同時に行った. これよりコンピューターによる解析プログラムを用いて左室圧容積曲線(以下P-V curve)を描出し, P-V curveよりEnd systolic pressure/End systolic volume index(以下ESP/ESVI)を求め左室収縮能の指標とした. 7例におけるESP/ESVIはECC前は3.9~10.7, ECC終了直後は1.1~6.8mmHg/ml/m2であった. 各症例においてECC前のESP/ESVI値を100%として変化率でみると, ECC終了直後は28~123%の範囲にあった. このうち28, 47%と高度に低下した2例では術後の血行動態が不良で, 且つ多量のカテコラミン使用を要した. このことよりESP/ESVIが, ECC後著しく低下した症例では左室収縮能の低下があり, 更にこの低下が術後早期の血行動態に影響を及ぼすと考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 術中心機能評価, 左室収縮末期圧容積関係, 術中心エコー法
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