アブストラクト(36巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 2回の緊急手術により救命し得た広範囲肺塞栓症の1例
Subtitle : 症例
Authors : 重田治, 福田幾夫, 前田肇***, 大橋教良*, 上田廣*, 目黒琴生**
Authors(kana) :
Organization : 筑波メディカルセンター病院外科, *筑波メディカルセンター病院救急部, **筑波メディカルセンター病院脳神経外科, ***筑波大学臨床医学系外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 10
Page : 2305-2309
Year/Month : 1988 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 意識レベル低下を伴う頸椎椎弓形成術後患者が, 突然急性肺塞栓症によるショック状態に陥った. 心マッサージを行いつつ人工心肺を装着し塞栓摘除術に成功した. 更に術後再発に対して下大静脈遮断術を行った. 肺塞栓症を疑ったら直ちに抗凝固, 線溶療法を開始し, 症状が改善しなければ, 確定診断, 手術適応決定のため肺動脈造影を行い, 同時に手術の準備も進めることが本症の救命に重要である. 重度のショック患者でも積極的な外科的治療が望まれる. 肺塞栓症は, 心筋梗塞, 解離性大動脈瘤とともに胸部三大急性疾患の1つとして重要である1). 本邦では比較的まれな疾患とされ, 1978~1980年の剖検例での頻度も2.28%, 欧米の約1/10であった2). このためか致死的ショックに陥った急性肺塞栓症の, 診断, 治療例は少ない. われわれは, 頸椎椎弓形成術後6日目に急性広範囲肺塞栓症を起こし, 人工心肺下に塞栓摘除術を行い救命し, 更に再発に対して下大静脈遮断術を行った症例を経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 肺塞栓症, 塞栓摘除術, 下大静脈遮断術
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