アブストラクト(36巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 非開胸食道抜去を施行した食道良性疾患の2例
Subtitle : 症例
Authors : 沖津宏, 松島康, 佐藤滋, 輿石義彦, 木村幸三郎, 早田義博
Authors(kana) :
Organization : 東京医科大学外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 10
Page : 2310-2314
Year/Month : 1988 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 非開胸食道抜去は, 頸部食道下咽頭癌を中心とした悪性疾患に対する術式として, その有用性が認められている. しかし, 食道良性疾患に対する本法施行例の報告は比較的少なく, 今回2例を経験したので報告する. 特発性食道破裂例は52歳の男性で, 嘔吐後の上腹部激痛を主訴とし, 左膿胸を合併していた. 発症79日後に手術を行ったが, 食道抜去時, 縦隔内感染が示唆されたため全胃による胸壁前再建を施行した. 腐蝕性食道狭窄例は55歳の女性で自殺企図にてアルカリ製剤を服用していた. 本例は後縦隔経路の全胃による再建を行った. いずれも術後合併症なく治療目的を達成し得た. すなわち本法は, 特発性食道破裂陳旧例で膿胸合併のため開胸術が不利になる症例, 及び広範な病巣のため食道切除の対象となる食道良性疾患では, 開胸術に比較してその手術侵襲が少なく, 安全且つ適切な術式と考える. 非開胸食道抜去は, 古くはTurner1)の報告に初まり, 本邦では大沢2)により初めて紹介された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 非開胸食道抜去, 特発性食道破裂, 腐蝕性食道狭窄
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