アブストラクト(36巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 先天性左冠動脈開口部閉鎖症の1手術例-内胸動脈を用いた血行再建-
Subtitle : 症例
Authors : 戸田省吾, 大賀興一, 和田行雄, 岡隆宏, 高永煥*, 北浦一弘**
Authors(kana) :
Organization : 京都府立医科大学第2外科, *京都府立医科大学小児科, **第2岡本病院胸部心臓血管外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 10
Page : 2325-2331
Year/Month : 1988 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 先天性左冠動脈開口部閉鎖症に対し, 内胸動脈を用いて冠動脈バイパス術を施行し, 良好な結果を得たので報告する. 症例は11歳の女児で, 5歳時より心電図上虚血性変化を指摘されていた. 10歳時全力疾走後意識消失し心肺蘇生を受けた. 負荷心電図でI, II, III, aVF, V4~V6にST低下を認めた. タリウム負荷心筋シンチグラムで運動負荷後前壁, 心尖部での取り込み低下を認めた. 冠動脈造影では左冠動脈開口部は造影されず左冠状動脈は右冠状動脈よりの側副血行により逆行性に造影された. 手術は左内胸動脈を左前下行枝に端側吻合した. 術後経過は良好で, 心電図・心筋シンチグラムの異常所見も改善した. 術後冠動脈造影でグラフトより左冠動脈全体が良好に造影された. 先天性左冠動脈開口部閉鎖症(以下本症と略す)は冠状動脈の先天異常の中でも極めてまれな疾患である. 本症の手術報告例は世界的にも少なく, 特に内胸動脈を用いた血行再建は, 著者らの調べ得た範囲では本報告例が第1例である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 先天性左冠動脈開口部閉鎖症, 大動脈-冠動脈バイパス術, 内胸動脈グラフト, 単冠動脈
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