アブストラクト(36巻10号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 巨大気腫性肺嚢胞に対するバルーンカテーテルによるドレナージ療法
Subtitle : 症例
Authors : 宇山正, 橋岡孝之介, 延原研二, 木村秀, 原田邦彦, 門田康正
Authors(kana) :
Organization : 徳島大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 10
Page : 2336-2339
Year/Month : 1988 / 10
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 巨大気腫性肺嚢胞症はspace occupying lesionとして隣接肺を圧迫し, 肺機能障害を来す. 積極的な外科療法が施行されているが, 基礎疾患として高度の肺気腫, 塵肺症などを有する場合には治療に難渋することも少なくない. われわれは, 塵肺症患者にみられた左下葉の巨大気腫性肺嚢胞症に対して, バルーンカテーテルを嚢胞内に挿入, 留置し, 嚢胞内にOK-432, Minocycline, フィブリン糊を注入することにより嚢胞の縮小が得られ, 臨床症状及び肺機能の改善が得られた症例を経験したので報告した. 本法は基礎疾患として高度の肺気腫などを有する患者に合併する巨大気腫性肺嚢胞症に対する1治療法と考える. 一側の胸腔の1/3以上を占めるブラは巨大気腫性肺嚢胞症と呼称される. 通常, 巨大ブラの存在する胸腔側の健常肺は圧排され高機能障害を来すため, 近年は積極的にブラ切除, 縫縮等の手術療法がなされている. しかし, 基礎疾患として肺気腫が高度であったり, 塵肺などがみられる場合には手術療法の適応となりがたい症例にも遭遇する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 巨大気腫性肺嚢胞, ドレナージ, バルーンカテーテル, 刺激剤, フィブリン糊
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