| Title ： |
超音波血流計による虚血性心疾患の冠動脈血流の術中計測法 |
| Subtitle ： |
原著 |
| Authors ： |
藤原巍, 野上厚志, 正木久男, 山根尚慶, 原太久茂, 金沢成雄, 松岡秀治, 吉田浩, 勝村達喜 |
| Authors（kana） ： |
|
| Organization ： |
川崎医科大学胸部外科 |
| Journal ： |
日本胸部外科学会雑誌 |
| Volume ： |
36 |
| Number ： |
11 |
| Page ： |
2431-2436 |
| Year/Month ： |
1988 / 11 |
| Article ： |
原著 |
| Publisher ： |
日本胸部外科学会 |
| Abstract ： |
冠状動脈のような細い表在性血管の血流計測を目的として開発された20MHz 80チャンネル高周波超音波パルスドプラー血流計を用いて虚血性心疾患手術例を対象とし, 術中冠状動脈の血流の計測を行い, 狭窄冠状動脈及びA-Cバイパス術前後の冠動脈血流波形の位相流を解析し, その特性と血管内血流プロファイルについて検討した. 正常左冠状動脈の血流は小さい収縮期血流に続いて非常に大きい拡張期血流がみられ, 著しい拡張期優位の血流波形を示した. 血管内血流プロファイルは血流に乱れが少なく, 幅の広いきれいな放物線上の流れがみられた. 前下行枝狭窄部末梢の血流は狭窄の強さに応じて拡張期血流は減少, 一方収縮期の血流は狭窄部を通過するjet流により流速は増加し, 収縮期優位の波形を示した. 血流プロファイルでは周辺部の血流の乱れが大きく, 逆流など, 血流の剥離がみられた. A-Cバイパス術により前下行枝血流は1.94倍に増加し, 拡張期血流の占める割合は49.2%から術後80.5%に増加, 左室心筋に対して有効な血流の増加をもたらせることを証明した. 超音波血流計は術中ではあるが非侵襲的に冠動脈血流計測を可能とし, 多くの情報を提供し, 今後広い分野で応用しうる手段と考える. |
| Practice ： |
臨床医学：外科系 |
| Keywords ： |
超音波血流計, phasic coronary flow, 血管内血流プロファイル, 狭窄流, A-Cバイパス術 |
