アブストラクト(36巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸部食道癌のリンパ節郭清の意義-最近10年間における予後との関連において-
Subtitle : 原著
Authors : 藤田博正, 掛川暉夫, 山名秀明, 白水玄山, 南泰三, 音琴要一郎, 入江均, 島一郎, 安藤暢敏*, 阿部令彦*
Authors(kana) :
Organization : 久留米大学医学部第1外科, *慶応大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 11
Page : 2447-2455
Year/Month : 1988 / 11
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 胸部食道癌のリンパ節郭清が食道癌の予後改善に役立ったか否かを検討した. 対象は1965~1976年に慶応大学外科で切除された胸腹部食道癌211例と1981~1986年に久留米大学第1外科で切除された胸腹部食道癌188例である. 10年前迄の症例に比べ, 最近は頸部上縦隔を中心としたリンパ節郭清がより徹底して行われるようになり, 合併療法も術前照射が減少し, 術後T字照射や制癌剤の投与が増加した. また, 対象症例はより進行したものが多く, 非治癒切除例の割合も高くなったが, 遠隔時の生存率は10%程良くなった. 方法はリンパ節転移度と有転移例の最長生存期間のscoring法から, リンパ節部位別の臨床的重要度(群分類)を判定し, それが10年間でどの様に変化したかをみた. その結果, 重要性が増したと判定されたリンパ節部位はIu食道癌では上縦隔リンパ節, Im食道癌では上縦隔と腹部リンパ節, Ei食道癌では下縦隔リンパ節, Ea食道癌では下縦隔と腹部リンパ節であった.従って, この10年間における予後の改善は, 術後合併療法の影響は無視できないとしても, 上中部食道癌では上縦隔の, 下部及び腹部食道癌では下縦隔と腹部のリンパ節郭清がより徹底して行われたことが, その要因の1つとして推察された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 食道癌リンパ節転移, 食道癌リンパ節郭清, 食道癌の予後
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