Abstract : |
Bentall術後の縫合不全により両側冠動脈口剥離, 動脈瘤, 大動脈弁輪部逆流を来した症例に対して大動脈基部再建術のやり直しを経験した. 症例は38歳女性で5年前にAAE, AR大動脈炎症候群の診断のもとにBentall手術を受けた. 術後1年目より大動脈弁逆流音を聴取し, 2年後の造影検査にて大動脈弁輪部逆流及び, 動脈瘤を指摘された. 手術適応が考えられたがリスクを考慮し, 経過観察となった. 5年後の今回, 呼吸困難, 狭心痛にて緊急入院となった. 精査の結果, 両側冠動脈口剥離, 動脈瘤, 大動脈弁輪部逆流と判明した. 術中所見より姑息手術は無理と考え, Inclusion Techniqueを用いない大動脈基部再建術のやり直しを行い, 良好な結果を得た. Bentall手術後の縫合不全に対しては姑息術が主として行われており, やり直し例はまれと思われ, 問題点を含め報告した. Bentall術後の縫合不全による両側冠動脈口剥離, 大動脈弁輪部逆流, 動脈瘤に対してInclusion Techniqueを用いない大動脈基部再建術のやり直しを行い, 良好な結果を得たので, 問題点, 手技を含め報告する. |