アブストラクト(36巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 頸動脈球腫瘍肺転移の1手術例-原発巣切除後21年目に多発性肺転移を発見された症例-
Subtitle : 症例
Authors : 森田理一郎*, 遠藤勝幸, 赤荻栄一, 蘇原泰則, 三井清文, 堀原一
Authors(kana) :
Organization : *筑波大学病院呼吸器外科, 筑波大学臨床医学系外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 11
Page : 2494-2498
Year/Month : 1988 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 頸動脈球腫瘍の多発性肺転移巣摘除後, 良好な経過を示している1例を経験した. 症例は55歳女性. 集検で, 両肺の多発性結節状陰影を指摘され, 他臓器腫瘍の肺転移を疑われて入院した. 21年前に, 右頸動脈球腫瘍の切除を受けていたが, 局所再発所見は認めなかった. 全身の検索でも原発巣と考えられる病変は発見されなかった. 開胸肺生検により頸動脈球腫瘍の肺転移であることが判明し, 3週後に, 胸骨正中切開両側開胸にて左右計6個の転移巣を摘除した. 術後2年6カ月経過し, 新たな再発・転移は認められていない. 本腫瘍の原発巣治療後は長期間の経過観察が必要であり, 肺転移巣に対しては積極的外科治療が有効である. 頸動脈球腫瘍はまれな腫瘍であり, 発育緩慢な良性腫瘍が多いと言われている. しかし長期間の経過観察により, 遠隔転移が低頻度ながらみられている. 遠隔転移巣としては肺が最も多いが, 多発性肺転移巣に対して外科的治療を行った報告はない.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 頸動脈球腫瘍, 肺転移
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