アブストラクト(36巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 巨大胸壁腫瘍の開胸手術中に発生した再伸展性肺水腫の1例
Subtitle : 症例
Authors : 佐久間勉, 一ノ瀬高志, 薄田勝男, 小池加保児, 仲田祐, 新田澄郎*
Authors(kana) :
Organization : 東北大学抗酸菌病研究所外科, *東京女子医科大学第1外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 11
Page : 2504-2507
Year/Month : 1988 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 右胸壁原発malignant hemangiopericytomaの開胸手術中に発症した再伸展性肺水腫を経験した. 肺水腫は右中葉に出現し, 腫瘍による肺虚脱が解除されたために発生したと考えられた. 気道内浮腫液の組成分析では膠質浸透圧14.1mmHg, 総蛋白濃度3.6g/dl, A/G比1.79で, 同時採血の血清と比較し, それぞれ0.71, 0.64, 1.03倍であった. GOT, ALP, LDH, Amylaseは血清に比し浮腫液で高値を示し, 逆にCholinesteraseは浮腫液で低値を示した. 再伸展性肺水腫は血管透過性亢進によるものであり, 気道内浮腫液の測定は肺水腫の診断及び治療の指標として重要である. 再伸展性肺水腫は気胸による肺虚脱に対する胸腔ドレナージ後に発生することが多く1)2), その機序は透過性亢進によることが多く1)2), その機序は透過性亢進によるとされる3)~5). 肺血管壁透過性亢進の証明には肺リンパ-血清蛋白比が用いられているが6), 人では気道内浮腫液-血清蛋白濃度比により判定される7)8).
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 気道内圧浮腫液, 再伸展性肺水腫, 膠質浸透圧, A/G比, 血清酵素
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