アブストラクト(36巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 胸郭に発生した孤立性形質細胞腫の2例
Subtitle : 症例
Authors : 原史人*, 土井原博義, 佐藤源, 原享子**, 大越祐一**
Authors(kana) :
Organization : 国立病院四国がんセンター外科, *財団法人淳風会倉敷第1病院外科, **岡山大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 11
Page : 2516-2520
Year/Month : 1988 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 63歳女性(症例1)の左第4肋骨と, 50歳男性(症例2)の胸骨柄に発生した孤立性形質細胞腫を経験した. 症例1は肋骨切除, 症例2は胸骨切除及び術後照射を施行し, 肺活量等が低下したが, いずれも呼吸障害の自覚なく社会に復帰している. 症例1はIgG(λ)型, 症例2はIgG(κ)型形質細胞腫で, 症例2は術前軽度のIgGの上昇が見られたが術後正常に復し, 両症例とも再発の徴候なく経過している. 孤立性形質細胞腫は, 多発性骨髄腫に比較してまれな疾患であり, 2例はいずれも胸郭に発生し手術可能な症例であった. 形質細胞腫と言えども孤立性の場合は, 手術を含む十分な局所療法で根治も期待できる. 形質細胞腫が孤立性に発生することはまれな病態であるが, 特に胸郭に発生した場合, 多発性骨髄腫との鑑別のみならず, 腫瘍の広がりや術後の呼吸機能を考慮にいれて手術適応, 治療方法を検討する必要がある. 今回われわれは, 肋骨及び胸骨に発生した孤立性形質細胞腫を各1例経験したので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 孤立性形質細胞腫, 骨髄腫, 胸郭, 肋骨, 胸骨
このページの一番上へ