アブストラクト(36巻11号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 慢性期外傷性胸部大動脈瘤2例の治療経験
Subtitle : 症例
Authors : 申範圭, 川田光三, 相馬康宏, 祝井文治, 下山嘉章, 井上正
Authors(kana) :
Organization : 慶應義塾大学医学部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 11
Page : 2525-2528
Year/Month : 1988 / 11
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 非穿通性外傷後3カ月以上経過した慢性期外傷性胸部大動脈瘤2例に対し手術を行い良好な結果を得た. 症例1は, 31歳女性で, 近位下行大動脈瘤に対し, 受傷8カ月後に分離体外循環下にパッチ閉鎖術を行った. 症例2は, 39歳男性で, 近位下行大動脈瘤に対し, 受傷16年後に大腿静動脈バイパス下に人工血管置換術を行った. 長期に渡って瘤を形成するものもあることを念頭に置くべきである. 手術は, 瘤への到達に注意を要するが, 瘤以外の大動脈壁の変化は軽度で, 吻合そのものは比較的容易であった. 到達方法, 補助手段, 遮断部位などを適切に選択すれば良好な結果が得られるものと考える. 外傷性胸部大動脈瘤は, 欧米においては比較的多数の報告例を見るが, 本邦においては依然散見されるにすぎない. しかしながら, 近年, 交通外傷の増加と共に, その頻度も増加する傾向にある. 過去, 教室の井上1), 川田2)が報告した以外に, 最近, われわれが経験した2例につき, その治療経験を報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 慢性期外傷性大動脈瘤, 外傷性胸部大動脈瘤, 非穿通性胸部外傷
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