アブストラクト(36巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳癌転移による食道狭窄の1手術例
Subtitle : 症例
Authors : 清水淳三, 藤岡重一, 岩喬, 小杉光世*, 小林長*, 安念有声**
Authors(kana) :
Organization : 金沢大学医学部第1外科, *市立砺波総合病院外科, **市立砺波総合病院病理
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 12
Page : 2651-2654
Year/Month : 1988 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 悪性腫瘍の食道転移は比較的まれで, これらの多くは隣接臓器からの直接浸潤であり, 遠隔臓器からの血行性, リンパ行性の転移は極めて少ない. 最近われわれは乳癌の食道転移による食道狭窄の1手術例を経験したので報告する. 症例は60歳女性で, 7年前に左乳癌に対し根治的乳房切断術と術後照射を受けている. 今回は強度の嚥下困難を呈し精査した結果, 本症と診断, 胸部食道全摘, 胸骨後経路にて胃管による食道再建術を施行し, 術後合併症もなく退院した. 乳癌の生存率は徐々にではあるが改善しており, 本症認識の普及も相まって今後かかる症例は増加するものと思われる. 本邦では過去に5例の報告例がみられるが切除した症例はなく, 切除例としては自験例が第1例目に当たる. 悪性腫瘍の食道転移はまれで, 特に遠隔臓器からの転移は極めて少ない. 最近われわれは嚥下困難を主訴とした乳癌の食道転移による食道狭窄の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 転移性食道腫瘍, 食道狭窄, 乳癌
このページの一番上へ