アブストラクト(36巻12号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 気管, 気管支吻合により1カ月余続いた無気肺葉が再建された結核性気管狭窄, 気管支閉塞の1例
Subtitle : 症例
Authors : 坪田紀明, 八田健, 松原正秀, 柳川昌弘, 吉村雅裕
Authors(kana) :
Organization : 兵庫県立成人病センター胸部外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 36
Number : 12
Page : 2667-2672
Year/Month : 1988 / 12
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 症例は結核の既往をもつ42歳の女性で主訴は急性呼吸困難である. 内視鏡検査で縦隔気管の右側壁下位1/2から始まる瘢痕性狭窄はその断面積の約1/3を占め, そのまま, 右主気管支に及んで同部を閉塞しているのが判明した. 右上葉切除, 気管中幹吻合術を行うことによって虚脱していた中下葉は再建されたが, 中枢側の断端である気管右側壁は上述の瘢痕部での吻合が余儀なくされた. 術後経過は順調で肺機能の回復は極めて良好であった. 無気肺葉の再建を試みるには, その肺葉に硬結や癒着, 膿汁貯留などの炎症所見がないことを確め, 虚脱肺気道から粘稠透明な分泌物を十分に吸引した後, 吻合前に術野から十分な膨張を確認して再度気道内吸引を行い分泌物の末梢への圧入を減少せしめることが肝要である. 虚脱肺葉が気道の再建後に機能を回復するか否か, あるいはいつ回復するかは興味のもたれるところである1). 本症例では1カ月余り無気肺が持続した後, 気管中間気管支幹吻合がなされたが, 臨床経過や, 吻合前後の検査成績に興味深いところがあるので報告する.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : tracheobronchial reconstruction, atelectasis, tuberculosis, 気道再建術
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