Title : |
ファロー四徴症短絡手術例と非手術例の肺血管病変 |
Subtitle : |
原著 |
Authors : |
八巻重雄, 中山信吾*, 羽根田潔, 伊藤孝, 柳沼厳弥, 貞弘光章, 秋野能久, 鈴木康之, 石沢栄次, 毛利平 |
Authors(kana) : |
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Organization : |
東北大学医学部胸部外科, *東北大学医学部小児科 |
Journal : |
日本胸部外科学会雑誌 |
Volume : |
37 |
Number : |
1 |
Page : |
62-67 |
Year/Month : |
1989 / 1 |
Article : |
原著 |
Publisher : |
日本胸部外科学会 |
Abstract : |
ファロー四徴症21例の非手術例と13例の短絡手術施行例の肺組織に対し肺小動脈中膜の厚さと内膜病変の割合を求める組織計測を行い, 本症の肺血管病変を検索した. また, 心疾患のない29例の肺小動脈中膜厚を測定し正常対照例とした. 非手術例の中膜厚は正常対照例と差がなかったが, 短絡手術例とPDA合併例に比べ薄い傾向を示した. 非手術例の内膜病変は血栓が主体で4歳以上の症例に高頻度にみられたが根治手術後に大きな影響を及ぼすことはないと結論された. 短絡術後の内膜病変は筋弾性線維症が主体でBlalock-Taussig術後では少ないものの人工血管を使ったmodified Blalock-Taussig手術, Waterston手術, 及びcentral palliation手術例ではほとんどの症例に認め, 特にcentral palliation術後に著しい肺高血圧症を示した1例では致命的であった. centrol palliation術後早期の症例にも筋弾性線維症を既に認めたことから手術により生じる突然の肺高血圧がその原因と考えられた. 従って, 本症の短絡手術ではBlalock-Taussig手術が最も望ましく, 肺血管床に急激な圧負荷のかかるような短絡手術では人工血管のサイズを考えるなど肺高血圧症の起こらない配慮をすべきであると結論された. |
Practice : |
臨床医学:外科系 |
Keywords : |
ファロー四徴症, 短絡手術, 肺血管病変, 血栓性肺血管病変, 筋弾性線維症 |