Abstract : |
単独冠動脈バイパス術(CABG)598例を対象として術後遠隔期における狭心症再発頻度, 並びに狭心症再発に及ぼす諸因子について検討を加えた. CABGの遠隔期生存率は5年, 8年で各々88%, 84%で, 年間死亡率は2.0%であった. Cardiac Event Free Ratioは5年, 8年で各々91%, 83%で, 年間合併率は2.1%であった. 狭心症Free Ratioは術後早期では94.2%, 5年, 8年では各々73%, 64%で, 年間出現率は4.5%であった. 1枝病変, 2枝病変, 3枝病変の狭心症Free Ratioは5年目では各々54%, 76%, 75%, 6年目では各々21%, 60%, 64%であった. バイパス本数と狭心症Free Ratioの間には有意の差異は認めなかった. グラフト完成度についてみると完全バイパス群, 外科的完全バイパス群, 不完全バイパス群, グラフト閉塞群では狭心症Free Ratioは5年目で各々89%, 81%, 74%, 39%, 8年目では各々63%, 82%, 55%, 30%であった. 狭心症再発の原因はグラフト閉塞42%, 不完全バイパス16%, 冠動脈病変の進行28%, 不明14%であった. 狭心症再発に対してPTCR4例, PTCA8例, 再手術8例を施行した. |