アブストラクト(37巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 機能的右室造設術の実験的検討-単心室に対する外科治療-
Subtitle : 原著
Authors : 佐藤佳樹, 鷲尾正彦
Authors(kana) :
Organization : 山形大学医学部第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 1
Page : 95-102
Year/Month : 1989 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Fontan型手術は三尖弁閉鎖症や単心室の機能的根治手術として用いられている. 単心室で右室に相当する機能をもたせるために, 単心室内に置いたconduitで右房肺動脈間をバイパスすれば, 機能的右室として作用すると考え, 実験を行った. 平均14.5kgの雑種成犬25頭を用い, 完全体外循環下に右房を切開した. A群はビニール管, B群はWoven Dacron, C群は, 器質化させたWoven Dacronを使用して, 一端にリング状テフロンパッチを縫合, 他端にプラスチック管を接着, conduitを作製した. これらを三尖弁より右室を通し, 肺動脈本幹に挿入して三尖弁輪に縫着した. 肺動脈本幹にてプラスチック管を緊縛し, 右室を閉鎖腔とした. 右室圧がconduitの壁を介してのみかかるようにして, 右室を単心室の代用とした. 実験の結果以下の結論を得た. 術前の心拍出量1.06±0.1l/minに対し, 術後は中心静脈圧20mmHgで同等の心拍出量が得られた. 肺動脈血流波形と肺動脈圧, 右室圧波形は一致したピークを認め有効な脈圧が得られた. 肺動脈脈圧の増加により肺血管抵抗の有意な低下を認めた. 肺動脈脈圧は, C群で有意に脈圧が小さくconduitの器質化が問題となることが示唆された.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 単心室, 右房肺動脈吻合術, 肺動脈脈圧, 心内conduit
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