アブストラクト(37巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 乳児期大動脈弓離断症A型に対するBlalock-Park法を用いた二期的根治術の検討-特にBlalock-Park手術後の大動脈弓の発育について-
Subtitle : 原著
Authors : 飯尾雅彦, 宮本勝彦, 赤城治彦, 上田欽一*, 中川正*, 山口行正*
Authors(kana) :
Organization : 大阪市立小児保健センター心臓外科, *大阪市立小児保健センター循環器科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 1
Page : 130-137
Year/Month : 1989 / 1
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 乳児期のA型大動脈弓離断症3例に対しBlalock-Park法を用いた二期的根治術を施行し全例救命しえた. これら3例の術後遠隔期成績, 特に大動脈弓の発育を検討した. 第一期手術としてBlalock-Park法による大動脈弓再建, 動脈管離断, 及び肺動脈絞扼術を, 第二期手術としてVSD閉鎖, 肺動脈絞扼解除術, 及び必要に応じ肺動脈形成術を行った. 第一期及び第二期手術後に心臓カテーテル検査と心臓大血管造影検査を行い, 吻合部圧較差, 吻合部径, 左鎖骨下動脈径, 吻合部径の上行大動脈径に対する比, 左鎖骨下動脈径の上行大動脈径に対する比を検討した. なお第一期手術時の左鎖骨下動脈径は症例1, 2, 3でそれぞれ3.0, 2.5, 4.0mmであり症例2が最小であった. 第一期及び第二期手術後の経時的変化をみると, 吻合部圧較差, 吻合部径は症例1, 3では圧較差は減少し第二期手術後のそれは5mmHgとごくわずかで, 吻合部径の増加も良好であった. しかし症例2では圧較差は残存し吻合部径の増加も不良であった. 吻合部径の上行大動脈径に対する比は症例1, 3で増加したが, 症例2では低下した. 左鎖骨下動脈径は3例とも増加し, 左鎖骨下動脈径の上行大動脈径に対する比も低下例は無かった. A型大動脈弓離断症に対するBlalock-Park法は, 第一期手術時の吻合部径を大きく修復できれば遠隔期における大動脈弓の発育は良好と考えられ, 有用な術式と考えられた.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 大動脈弓離断症, Celoria-Patton分類, Blalock-Park法
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