アブストラクト(37巻1号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 左無名静脈欠損の不全型Lucas-Schmidt分類IB2型三心房及び冠静脈洞心房中隔欠損の1例
Subtitle : 症例
Authors : 饗庭了, 石倉義弥, 小田桐重遠, 下川路正健, 鈴木和幸, 吉松博
Authors(kana) :
Organization : 産業医科大学第2外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 1
Page : 159-164
Year/Month : 1989 / 1
Article : 報告
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : Lucas-Schmidt分類IB2型三心房と冠静脈洞心房中隔欠損は両者とも極めてまれな先天性心疾患であり, 本邦では前者は1例のみ後者は13例の報告があるに過ぎない. われわれは, 左無名静脈が欠損した不全型の前者と後者との合併例を経験した. 症例は52歳の女性で呼吸困難を主訴として入院となった. 心断層エコー図, 心カテーテル検査により, 重症僧帽弁閉鎖不全, 心房中隔欠損, 三心房, 左上大静脈左房(副室)還流症, 冠静脈洞欠損との診断を得た. 手術は体外循環下に, 左房異常隔壁切除, 心房中隔欠損パッチ閉鎖, 僧帽弁置換, 左上大静脈結紮を施行した. 術後経過は順調である. これらの合併例は世界最初の報告例と思われる. 三心房(cor triatriatum)は, 左心房が異常隔壁により, 肺静脈の還流する上房または副室といわれる部分と本来の左房腔の部分とに二分されたまれな先天性心疾患である.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 三心房, 冠静脈洞心房中隔欠損, 左上大静脈左房還流, 冠静脈洞欠損, 総肺静脈還流異常症
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