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上大静脈, 腕頭静脈に浸潤した悪性縦隔腫瘍16例の遠隔成績を静脈血行再建を中心に検討した. 浸潤部位別にA群：上大静脈広汎浸潤型（9例）, B群：上大静脈局所性浸潤型（3例）, C群：腕頭静脈浸潤型（4例）の3群に分け, A群を更にA-1：血行再建群（7例）, A-2：非再建群（2例）に分けた. (1)A-1群：腫瘍摘除・上大静脈合併切除4例,腫瘍摘除1例, 腫瘍部分切除1例, 非切除1例である. 人工血管による再建6例, 上大静脈形成1例である. 人工血管としてはテフロン・グラフト, Gore-Texグラフトを使用し, 3カ月以上の開存はテフロン・グラフト4本中1本, Gore-Texグラフト7本中5本であった. 左右別では右腕頭静脈グラフト4本中3本, 左腕頭静脈グラフト7本中3本が開存した. グラフトの最長開存期間は7年11カ月であり, 直接死亡2例, 5年以上生存2例であった. A-2群：腫瘍部分切除1例は広範な末梢静脈血栓のため8日後に死亡した. 非手術1例は縦隔型肺癌と考え放射線治療を行ったが, 11カ月後に死亡した. (3)B群：非摘除2例は放射線治療を行ったが, 10カ月, 1年1カ月後に死亡した. 腫瘍摘除・右肺全摘・上大静脈部分切除・パッチ移植1例は転移のため3カ月後に死亡した. (4)C群：4例で腫瘍摘除を行い, 3例は健在であるが, 胸腺癌1例が6年6カ月後に死亡した. 遠隔成績はC群がA, B群に比し良好であった. 静脈血行再建の開存性は向上し, 拡大手術が可能となり, 手術例15例の50%生存期間は1年9カ月であった. |
