アブストラクト(37巻2号:日本胸部外科学会雑誌)

Title : 雑種成犬同種肺移植における特異的障害性Tリンパ球活性の検出
Subtitle : 原著
Authors : 藤沢武彦, 斎藤幸雄, 卜部憲和, 小川利隆, 門山周文, 山口豊
Authors(kana) :
Organization : 千葉大学医学部肺癌研究施設外科
Journal : 日本胸部外科学会雑誌
Volume : 37
Number : 2
Page : 203-207
Year/Month : 1989 / 2
Article : 原著
Publisher : 日本胸部外科学会
Abstract : 雑種成犬左肺同種移植を行った10頭を用いdonor線維芽細胞に対する末梢血中単核球の細胞障害活性の解析を行った. 皮膚線維芽細胞の培養は比較的短期間に可能で, effectorとtargetの培養時間は4時間の方が18時間より優れ, この条件下では再現性が認められた. またこのassayのdonor線維芽細胞に対する細胞障害活性のeffectorはプラスチック非付着性, ナイロン・ウール非付着性であることからTリンパ球と考えられ, また各種のfibroblastsをtargetとした検討及びcold competitionから細胞障害活性はdonor特異的であることが証明された. サイクロスポリンA投与によりこの活性は抑制され移植肺の含気性も良好に保たれたが, サイクロスポリンAを投与しないか, 投与を中止すると4日から8日, 平均6日で著明な細胞障害活性の上昇が見られ, 移植肺には肺水腫と肺胞腔内へのフィブリン様物質の析出が認められた. 以上より雑種成犬同種肺移植においてわれわれの開発したdonor皮膚線維芽細胞をtargetとする細胞障害活性テストはdonor特異的障害性Tリンパ球活性を検出しており, 肺移植における拒絶反応の免疫学的解析, 免疫抑制剤の効果並びに感染と拒絶反応との鑑別などにおいて極めて有用な検索法と考える.
Practice : 臨床医学:外科系
Keywords : 同種肺移植, 雑種成犬, 皮膚線維芽細胞, 細胞障害活性, 特異的障害性Tリンパ球, 拒絶反応
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